福田奈美

「障害者」が消える日

 

精神障害者への日本の福祉はどうあるべきだろうか。

 

たとえばドイツでは、病床を減らそうとして社会への自立を促している。たとえ重度障害者でも施設ではなく、地域でのケアを重んじているのである。そして、先にも述べたように、障害者が積極的に業種を選び就労できるように、それを受け入れる土壌がある。

 

しかし、日本では重度障害者は病院といった施設に閉じ込めようとする。障害者を弱者に従う傾向にあり、保護すべき特別な存在なのだ。

 

だとすると、「障害者意識」は私たちが考え方を変えるべきところなのかもしれない。

 

日本の精神障害者が社会貢献を考えるのであれば、精神・発達障害者は、社会から「必要とされている人間」だと実感できることが大切である。自分たちが認められることで、やりがいを感じ、自分の持っているパフォーマンスを最大限に発揮することが、障害者がいるフラットな環境を創るために必要であることを、社会に認知されたいところである。

障害は1つの個性に過ぎないことを、当事者も家族もそして社会がそれを自覚するべきことなのである。

 

そして何より、障害者自身が、不自由だという前に、可能な限り社会生活を身につけることが大切である。たとえ生活保護を受けていても、ちゃんと国の助けから自立し、社会生活を送ることもできるのだ。