弱くても、強く生きる(1)
【社会から断切されてしまう人と就労した人の差】
精神・発達障害者で就労を果たし働き続ける人と、支援機関の段階もしくは就労活動を断念した人の間に、大きな差ができてしまうのは何が根本に存在しているのだろうか。
同じ障害者でも、就労という目標を達成できない人たちは、どうなるか。引きこもりがちになり、達成できなかったことへの挫折感は増していくだろう。
この先、そのような障害者をなくすためにも、何か手立てはないか、医師のみならず、地域でのケアの充実を図るべきだろう。すでにそういった何かしらの活動をしている地域はあるのかもしれない。
障害者が就労に踏みだそうとするまで、精神力と体力どちらも必要となる。その障害から一歩踏み出すことは容易ではない場合もあることを私も経験している。だが、私の場合は、ほぼ勢いで就労移行支援事業所へ入った。主治医から予告もなく、事業所の方を紹介され、あれよあれよという間に通うことになっていた。おそらく、その勢いが良かったのかもしれない。
いま、何で就労移行支援事業所を選んだのか研修生に聞いてみれば、ネットで調べたという回答が多かった。つまり、就労移行支援事業所を知っていて、どこの事業所にしようか探す時点で就労を目指すという強い決断をしているわけである。そのような選び方をしている人たちは、勤怠もいいし、学ぶ姿勢がもう障害者とはいえない人が多かったりする。
真っ向から<自分のために><就労のために><生活のために>先を見ている。強い意志を感じるのである。もちろん迂曲紆余はある。
しかし、逆のケースもある。就労移行支援事業所へ通い始めたものの、一度休んでしまうと、体力的、精神的に、乱れがちになる。それが一週間も続けば、あらたに通所することが大変になる。
その根本にあるものは、働くことへの義務感や、働きたいという気持ち以上に強い、就労を拒む何か(挫折感であったり)を持っている場合もある。
《続く》